** INTERVIEW **
ジョン・レノンのソングライティングの大ファンだ、というミュージシャンは数多い。 “なんでもないコード進行で、あれぇっていう、どちらかといえば“おそ松くん”的 コード進行なんだけどなかなかマネできない”っていうのは桑田佳祐の名言だけど、 奥田民生の一連の作品、洋楽勢でいえばレニー・クラヴィッツ、ブレンダン・ベンソン などなど、とにかくシンパが多いのが特徴。さてさて、今回紹介させていただくのが 北浦くん。sweet velvetのミニアルバムに参加しているアレンジャーなんですが、な んか、極秘プロジェクト?も進行してるっていう情報もあったりして早速インタビュー を行ないました。
(注:cocottインディーズデビューを控えた直前の記事です)

●月並みな質問ですけど、好きなミュージシャンって誰ですか?

「ジョン・レノンが一番好きですね。あとは、トーレ・ヨハンソン。レニー・クラヴィツ は2枚目までですね。ビートルズの、というかジョン・レノンの真似をしている頃が一番好き。」

●アナログ指向だ(笑)。さらに月並みな質問は続きまして(笑)、好きな曲を3曲挙げるとしたら?

「“アイ・アム・ザ・ウォルラス”、“OH MY LOVE”、“LOVE”この3曲です。」

●アメリカ系のあっけらかんと抜けたメロディじゃなくて、どっちかっていうと影がある......

「陰鬱な感じの。」

●ブリティッシュ系独特のメロディの曲が好きなんだ。

「そうですね。特にストリングス系が好きです。それもムーディーに流れるやつじゃなくて、アクの強いラインが。ロックっぽいラインが一番好きですね。」

●ブリティッシュ系のストリングスのラインってすごく特徴があるんだよね。ELOにしろ、XTCにしろ、もちろん皆ビーイトルズの影響を受けてるんだけど、キュッキュッて耳の側で鳴ってる感じがするっていうの?とにかく独特のエコーがかかってるんだよね。

「はい、はい。ブリティッシュものって明らかに聴こえた感じが違うんですよ。 また、その独特の感じにすごく魅かれるです。トーレ(ヨハンソン)ものも ブリティッシュとは少し違うんですけど、その影響ってすごく見えて。」

●デモを聴かせてもらったときは、ちょいコジャレ系かな?と思ってたんで、さっきビートルズでジョンが好きって発言はかなり意外だった。なるほどね、それで、ビートルズでもジョン(レノン)派っていうのはよくわかった。実はロック好きっすね?

「はい(笑)。これでもツェッペリン聴いてたこともありましたから。」

●カーディガンズだってブラックサバスをフェイバリットに挙げてますから。それは全然アリでしょ。ちなみに、ジョンのどの辺に魅かれてるんですか?

「もちろん、ポールも好きなんですが(笑)、ジョンの曲ってトリッキーじゃないですか。コード進行にしたって、当たり前のコードを使って、そういうのってアリなの?的なところに持ってっちゃう訳ですよね。そういうところが、単純におもしろいですし。 あと、メッセージ性が強い部分にひかれます。リアルタイムで経験したわけじゃないんですが、やる事なす事カッコイイじゃないですか(笑)。カリスマ性がありますもんね。 とにかく、声質、キャラ、メロディ全部好きなんですよ。」

●僕もビートルズ大好きなんですけどこのままこの話題を続けてしまうとコレクター系雑誌と勘違いされてしまうので、ちょっと目先を変えた質問をしてみましょうか。最近のアーティストの曲で気に入ったのってありますか?

「最近、気になってるのがローリンヒルの“ザイオン”っていう曲です。  息子に捧げたナンバーらしいんですけどね。僕、実はR&Bって苦手だったりするんですよ。全部同じに聴こえたりして(笑)。やっぱ、自分の中ではホワイトっていうか(笑)リズムよりメロ指向なのは間違いないところ。そんな中でもパワーを感じた曲なわけです。また、ジョンの話に戻ってしまいますが、やっぱりパワーがないと。」

●それじゃ、これからの目標な聞かせてください。

「メジャーで実験的なことをやっていきたいですね。もちろん、キャッチーな部分はなくしたくないので。そういった部分で個性をアピールできればな、と。」

(Undown 1999.4.20号掲載)